
ツーホイールズライフ・イメージ
トライアンフ サンダーバード 900は、英国トライアンフ社が誇るクラシックスタイルのバイクとして、今も多くのライダーから高い支持を集めています。その独特なデザインと、扱いやすさを兼ね備えた並列3気筒エンジンは、「ただの旧車」にはとどまらない深い魅力を放っています。
この記事では、トライアンフ サンダーバード 900の基本スペックから、クラシックデザインの美しさ、走行性能、さらには中古車購入時の注意点やカスタム例、維持費まで、幅広い視点からその魅力を徹底解説します。
「トライアンフ サンダーバード 900って実際どんなバイク?」「購入を検討しているけど、情報をしっかり集めたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。あなたにとっての理想の1台を見つけるヒントが、きっとここにあります。
記事のポイント
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サンダーバード900の基本スペックと走行性能
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クラシックデザインの特徴と魅力
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中古購入時の相場や注意点
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維持費やカスタム・故障の傾向
目次[非表示]
トライアンフ サンダーバード 900の魅力

ツーホイールズライフ・イメージ
- 基本スペック紹介
- クラシックデザインの魅力とは
- 旧車ファンに支持される理由
- 走行性能
- モジュラーコンセプトからの脱却
- サンダーバードスポーツとの違い
基本スペック紹介
サンダーバード900は、1995年に登場したトライアンフのクラシックスタイルバイクで、水冷並列3気筒エンジンを搭載しています。排気量は885ccと大型クラスに分類され、最大出力は70馬力、最大トルクは7kg-mと、日常からツーリングまで幅広く対応できる性能です。
このバイクの特徴は、クラシックな見た目とは裏腹に、エンジンが水冷である点にあります。冷却効率が高いため、安定した走行性能を維持しやすく、長距離でも安心して乗れる仕様です。また、燃料供給はキャブレター方式を採用しており、昔ながらの乗り味を楽しむことができます。
サイズは全長2,250mm、全幅860mmと大柄で、ホイールベースは1,550mm。安定感のある走りを実現しやすい設計です。車両重量は220kg(乾燥時)で、それなりに重さはありますが、走行中はそれを感じにくいバランスの良さも評価されています。
一方で、キャブレターや比較的重い車体という点は、初心者にとって扱いにくさを感じることもあります。こまめなメンテナンスやエンジンの暖気が必要になる場合もあるため、乗り手の理解と慣れが求められるバイクです。
このように、サンダーバード900はスペック面で見ても、クラシックなスタイルと現代的な安定性を両立させたモデルと言えるでしょう。
・以下に「トライアンフ サンダーバード 900」の基本スペックをわかりやすく表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
車名 | トライアンフ サンダーバード 900 |
登場年 | 1995年 |
エンジン形式 | 水冷 並列3気筒 |
排気量 | 885cc |
最大出力 | 70馬力 |
最大トルク | 7kg-m |
燃料供給方式 | キャブレター |
全長 | 2,250mm |
全幅 | 860mm |
ホイールベース | 1,550mm |
車両重量(乾燥) | 220kg |
タイヤサイズ(前) | 18インチ |
タイヤサイズ(後) | 16インチ |
特徴 | クラシックデザイン、水冷エンジン、安定した走行性能 |
クラシックデザインの魅力とは

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サンダーバード900の最大の魅力の一つは、1950年代を彷彿とさせるクラシックなデザインです。このデザインは、古き良きバイク文化を感じさせる外観を持ちつつ、現代の道路事情にも対応できる機能性を備えています。
具体的には、丸みを帯びたタンク形状やシンプルなメーター類、クローム仕上げのマフラーなど、レトロな要素が随所に散りばめられています。ピシュータータイプと呼ばれるマフラーは、見た目だけでなく心地よいエンジンサウンドも演出してくれます。
こうしたデザインは、単に「古く見える」だけではなく、バイクに対する愛着や所有感を高めてくれます。特に旧車に憧れる人にとっては、整備のしやすさやパーツの供給状況を含めても、ちょうどいいバランスの取れた1台です。
ただし、現代的なスポーツバイクと比べると、最新の装備や電子制御は搭載されていないため、快適装備を求める人には物足りなさを感じることもあります。また、見た目の美しさを保つには定期的な手入れが欠かせません。
それでも、サンダーバード900のデザインは「乗る楽しさ」と「眺める楽しさ」の両方を味わえる貴重なモデルです。スタイルにこだわるライダーにとって、まさに理想的な1台となるでしょう。
旧車ファンに支持される理由

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サンダーバード900は、多くの旧車ファンから長年にわたって支持され続けているモデルです。その背景には、クラシックなスタイルと手のかかるバイクらしさが、旧車好きの心をくすぐる要素として存在しています。
まず、外観に関しては、1950年代の名車「6Tサンダーバード」をモチーフにしたデザインが採用されています。丸いヘッドライト、シンプルなタンク形状、そしてクロームパーツを多用した仕上げは、現代のバイクにはない独特の存在感を持っています。これにより、旧車に憧れる人々にとって「新しいけど古い」ちょうどよい選択肢となっています。
さらに、キャブレター式のエンジンやアナログメーターの装備など、メカニカルな操作感が残っているのも魅力の一つです。こうした部分に魅力を感じる人は、手間がかかることさえも楽しみの一つとして受け入れています。
一方で、古い設計に近いぶん、最新の安全装備や電子制御は備わっていません。そのため、扱いや整備には一定の知識や経験が必要です。ですが、それも含めて愛着を持てるという点が、旧車ファンにとっては何よりも大切な要素です。
このように、サンダーバード900は「趣味性」を重視するバイクとして、多くのファンに選ばれています。
走行性能

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サンダーバード900は、その見た目からは想像しにくいかもしれませんが、安定感のある走行性能を持ったバイクです。特に中低速のトルクが太く、ゆったりとした走りを好むライダーに向いています。
エンジンは水冷の並列3気筒で、出力は70馬力。加速力は穏やかですが、滑らかでスムーズな回転フィールが魅力です。街乗りやツーリングといった日常的な使い方においては、過不足のないパワー感を感じられるでしょう。
また、ホイールベースが長く、車体重量も220kg(乾燥時)としっかりあるため、直進時の安定感が高い点もポイントです。高速道路での巡航でもフラつきにくく、落ち着いた走りを楽しめます。
ただし、車体が大きく重いため、取り回しやUターンなどの低速操作には少し慣れが必要です。また、サスペンションもやや柔らかめに設定されているため、スポーティな走りを期待すると物足りなさを感じるかもしれません。
それでも、ゆったりとしたツーリングを楽しみたい人や、クラシックなスタイルを維持しながらも快適な走行を求める人にとって、サンダーバード900は非常にバランスの良いバイクです。
モジュラーコンセプトからの脱却

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トライアンフ サンダーバード900が登場した当時、メーカーは「モジュラーコンセプト」という生産方針を採用していました。これは、複数の車種でエンジンやフレームなどの共通部品を使い回すことで、生産効率を高めるという考え方です。
この考え方自体は合理的でしたが、デザインや乗り味に個性が出にくくなるというデメリットもありました。そこで登場したのがサンダーバード900です。このモデルでは、共通部品に頼らず、専用の外装やマフラー、クラシカルな雰囲気を持ったデザインが与えられました。
エンジンやフレームの細かな調整も加えられ、見た目だけでなく乗り味にもクラシックバイクらしいフィーリングが生まれています。これにより、トライアンフのバイク作りは、「効率重視」から「個性重視」へと大きく方向転換しました。
ただし、専用設計が増えるということは、開発やコストの面では負担も増えることを意味します。それでもトライアンフは、ブランドとしての独自性を重視し、以後のモデルでも車種ごとの特徴を際立たせるスタイルをとるようになっていきました。
このように、サンダーバード900は“量産のための設計”から“魅力ある個別設計”への転換点となったモデルなのです。
サンダーバードスポーツとの違い

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サンダーバード900には、後に「サンダーバードスポーツ」という派生モデルが登場しました。見た目は似ている部分もありますが、性格はかなり異なります。
最も大きな違いは、スポーツ性の強化です。サンダーバードスポーツでは、出力が83馬力まで引き上げられ、より力強い走りを実現しています。加えて、フロントブレーキがダブルディスクに変更されており、制動力も向上しています。これは、高速域での安定したブレーキ操作に大きく貢献します。
さらに、ホイールサイズにも違いがあります。サンダーバード900は前18インチ/後16インチのタイヤを装備していますが、スポーツモデルでは前後とも17インチに変更されています。この変更により、より軽快なハンドリングが可能になっています。
外観もやや異なっており、リバースコーンタイプのマフラーや異なるシート形状など、スポーティな印象を強調するパーツが使われています。
一方で、こうした変更によって、サンダーバードスポーツはやや硬派な印象となり、ゆったりとクラシックバイクを楽しみたい人には少し忙しい乗り味に感じるかもしれません。
つまり、サンダーバード900が「クラシックスタイルのツアラー」だとすれば、サンダーバードスポーツは「スポーティに走れるネオクラシック」といった位置づけになります。どちらを選ぶかは、ライダーの好み次第です。
トライアンフ サンダーバード 900購入前ガイド

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- 中古の相場
- 中古の注意点
- カスタムの実例
- 故障の傾向と対策
- 維持費やパーツ供給について
- 中古購入時のチェックポイント
- 総括:トライアンフ サンダーバード 900購入前に知るべき注意点
中古の相場

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トライアンフ サンダーバードの中古車相場は、年式や状態によって大きく変わります。一般的には、サンダーバード900の初期モデルであれば、価格帯はおおよそ40万円〜70万円前後が目安とされています。
特に人気のあるカラーバリエーションや、走行距離が少なく整備記録のしっかりした車両は、やや高めの価格になる傾向があります。反対に、カスタムが多い車両や経年劣化が目立つものは、相場より安く販売されていることも少なくありません。
また、販売地域や販売店によっても価格差があるため、複数の情報源を比較することが大切です。ネット上のバイク販売サイトやオークションサイトをチェックすることで、ある程度の相場感がつかめます。
ただし、中古市場では流通台数が少ないモデルであるため、欲しい仕様や状態の車両にすぐに出会えるとは限りません。タイミングと行動力も大切になってきます。
このように、サンダーバードの中古相場は一概に決まっているわけではなく、条件によって幅があることを理解した上で探すことが重要です。
中古の注意点

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サンダーバード900を中古で購入する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。見た目の状態だけでなく、機械的な部分や保守状況をしっかり確認することが大切です。
まず確認したいのは、エンジンの始動状態とアイドリングの安定性です。キャブレター式のバイクなので、定期的な調整がされていないとエンジンがかかりにくかったり、回転が安定しない場合があります。始動時に異音がしないかどうかもポイントです。
次に、外装パーツやマフラーなどが純正かどうかもチェックしておきたい点です。前オーナーがカスタムしていることもありますが、純正部品が手に入りにくいケースもあるため、交換が難しい場合もあります。
また、配線やホース類などの劣化も見逃せません。特に年式の古い車両はゴム部品のひび割れや、オイルのにじみなどが起きやすく、購入後に修理費がかさむ可能性も考えられます。
さらに、整備履歴が記録として残っているかも確認すると安心です。記録がしっかりしていれば、過去のメンテナンス状況が把握でき、状態の良し悪しを判断する助けになります。
このように、トライアンフ サンダーバード900の中古車は、外観だけでなく内部の状態にも気を配りながら選ぶことが重要です。焦らず丁寧にチェックすることで、満足のいく1台に出会いやすくなります。
カスタムの実例

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サンダーバード900は、クラシックなデザインを活かしたカスタムが楽しめるバイクとしても人気があります。パーツの自由度が高く、自分の好みに合わせてスタイルを変えることができる点が魅力です。
代表的なカスタム例としては、マフラーの交換があります。純正のピシュータータイプから、より重低音が響くタイプへ変更することで、音質や外観に個性を加えることができます。また、シートをソロシートに変更して、よりビンテージ感を強調するスタイルも人気です。
さらに、ハンドルバーやミラーを小ぶりなタイプに交換することで、全体のシルエットが引き締まり、カフェレーサー風の雰囲気に仕上がります。こういった外装系のカスタムは比較的手軽で、見た目の変化も大きいため、多くのオーナーに好まれています。
一方で、カスタムを進めすぎると、純正部品に戻すのが難しくなる場合もあります。また、部品によっては車検対応していないものもあるため、見た目だけで選ぶのではなく、使用環境も考慮した判断が必要です。
このように、サンダーバード900は「自分だけの1台」に仕上げやすい車種です。手を加える楽しみがある一方で、安全性や法規も意識しながらカスタムを楽しむことが求められます。
故障の傾向と対策

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サンダーバード900は信頼性のあるバイクですが、年式が古くなっていることから、いくつかの故障リスクには注意が必要です。特に中古で購入を検討している場合は、あらかじめ傾向を知っておくと安心です。
よくあるトラブルの一つが、キャブレター周辺の不調です。しばらく動かしていない車両ではガソリンが固まり、詰まりを引き起こすことがあります。こうなるとエンジンのかかりが悪くなり、走行にも支障をきたします。定期的な清掃やガソリン添加剤の使用など、予防的な手入れが重要です。
また、ゴム部品の劣化にも注意が必要です。例えば、燃料ホースや冷却系のホースは時間とともにひび割れや硬化が進みます。そのままにしておくと燃料漏れやオーバーヒートの原因になりかねません。点検時には目視で確認し、早めの交換を心がけましょう。
電装系では、バッテリーやレギュレーターの寿命が気になるところです。これらが弱ってくると、ライトのちらつきや始動不良が起こることがあります。バッテリーは定期的に充電・交換を行い、異変があればすぐに点検を依頼しましょう。
前述の通り、サンダーバード900は設計がシンプルなぶん、故障箇所がある程度限られているのが特徴です。だからこそ、こまめな点検と予防的なメンテナンスを行えば、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
維持費やパーツ供給について

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サンダーバード900の維持費は、国産バイクと比べるとやや高めになる傾向があります。ただし、頻繁に壊れるというわけではなく、定期的なメンテナンスを怠らなければ、大きな出費は少なくて済みます。
維持費の主な内訳としては、オイル交換やタイヤ交換といった消耗品の費用、年1回の車検費用、そして万が一の修理費などがあります。車検費用はショップに依頼する場合で5万円〜10万円程度が目安です。また、輸入車であるため、部品代が国産車より高くなることもあります。
それでは、パーツ供給についてはどうでしょうか。サンダーバード900は比較的古いモデルですが、トライアンフ本社や一部のパーツ専門店では今でも多くの純正部品やリプロ品(復刻パーツ)が取り扱われています。インターネットを活用すれば、国内外から必要な部品を探すのはそれほど難しくありません。
一方で、年式によっては一部の部品が製造終了となっている場合もあります。そのため、あらかじめ信頼できるショップを見つけておくことや、消耗しやすい部品をストックしておくことも、維持をスムーズにする工夫となります。
このように、維持費はやや高めであるものの、計画的なメンテナンスと部品調達の体制を整えておけば、長く乗り続けられるモデルです。
中古購入時のチェックポイント

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サンダーバード900を中古で購入する際には、見た目だけで判断せず、いくつかのポイントをしっかり確認することが大切です。これを怠ると、購入後に予期せぬトラブルや高額な修理費が発生する可能性があります。
まず確認すべきは、エンジンの状態です。エンジンがスムーズにかかるか、アイドリングが安定しているか、異音がしないかをチェックしましょう。特にキャブレター式エンジンは、定期的な調整が必要なので、長期間放置されていた車両には注意が必要です。
次に、フレームや足回りにサビや変形がないかも重要なポイントです。見た目がきれいでも、下回りやホイール付近に目立たない腐食があることもあります。また、タイヤの溝や製造年も確認しておきたい部分です。溝があってもゴムが古くなっていれば交換が必要になります。
さらに、電装系のチェックも欠かせません。ライト、ウインカー、ブレーキランプが正常に点灯するか、バッテリーの状態はどうかなど、基本的な部分をしっかり確認しておきましょう。
最後に、整備記録や前オーナーの保管状況も分かると安心です。屋内保管されていた車両は、外装やゴム部品の劣化が少ない傾向があります。
このように、中古車選びでは「見た目」だけでなく「中身」を丁寧にチェックすることが、後悔しない買い物につながります。できれば、信頼できるバイクショップや詳しい知人と一緒に確認するのがおすすめです。
総括:トライアンフ サンダーバード 900購入前に知るべき注意点
記事のポイントをまとめます。
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1995年に登場したクラシックスタイルのバイク
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水冷並列3気筒エンジンを採用し排気量は885cc
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最大出力は70馬力で日常からツーリングまで対応
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キャブレター方式により昔ながらの乗り味が楽しめる
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車体サイズは大柄でホイールベースも長め
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走行中は重量を感じにくい安定した設計
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デザインは1950年代の6Tサンダーバードがモチーフ
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丸型ヘッドライトやクロームパーツでレトロ感を演出
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メカニカルな操作感が旧車ファンに好まれている
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最新装備や電子制御は搭載されていない
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トライアンフのモジュラーコンセプト脱却のきっかけとなったモデル
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専用設計のパーツが多く個性ある仕上がりになっている
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サンダーバードスポーツは出力や足回りが強化された派生モデル
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中古市場では40万~70万円前後が目安
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流通台数が少なくタイミングよく探す必要がある
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中古購入時はキャブやホース類の劣化確認が重要
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純正部品の入手難易度も事前に把握すべき
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維持費は国産車より高めでパーツ代もやや高額
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リプロ品や海外サイトで部品調達は可能
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カスタムの自由度が高く個性を出しやすい
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マフラー交換やソロシート化などが人気カスタム例
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車検非対応パーツの使用には注意が必要
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中低速トルクが太く安定感のある走りが特徴
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車体が大きいため取り回しにやや慣れが必要
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バイクを「所有する喜び」を感じられるモデル